【2026年最新】ショートドラマ広告とは?3つの配信モデル・媒体の使い分け・事例・KPIまで徹底解説

【2026年最新】ショートドラマ広告とは?3つの配信モデル・媒体の使い分け・事例・KPIまで徹底解説

「動画広告に予算を移したが、そもそも最後まで見られていない」
「ショートドラマ広告が良さそうなのは分かる。ただ、自社でやるとしてどの型で、どこに出して、何をKPIに置けばいいのかが分からない」

ショートドラマを活用した広告は、2026年の動画マーケティングで最も伸びているフォーマットのひとつです。一方で、「話題になっているから」という理由だけで着手し、再生数は伸びたのに事業成果につながらないという失敗も増えています。

本記事では、ショートドラマ広告の定義から、3つの配信モデル・配信面ごとの使い分け・成果が出た企業事例・ファネル別のKPI設計・よくある失敗と法規制上の注意点までを、累計再生数120億回を突破した縦型ショートドラマ集団「ごっこ倶楽部(株式会社GOKKO)」の制作現場の知見をもとに整理します。数値はすべて出典を明記しています。

従来の動画広告とショートドラマ広告の違いを比較した図。従来は企業・商品が主語で割り込み型、商品が主役なのに対し、ショートドラマ広告は登場人物の感情が主語で続きが気になる構成、商品は物語の鍵として脇役に置かれることを示している
主語が「企業」から「登場人物の感情」に変わる

1. ショートドラマ広告とは?通常の動画広告との違い

定義

ショートドラマ広告とは、おおむね1〜3分(媒体によっては15秒〜60秒)の縦型ショート動画のなかでドラマとしての物語を展開し、そのストーリーの中に商品・サービス・ブランドを自然に登場させる広告手法です。スマートフォンの縦画面(9:16)で視聴されることを前提に設計されます。

従来の動画広告と何が違うのか

最大の違いは「主語」です。従来のインストリーム広告は「この商品はここが優れています」という企業主語の訴求ですが、ショートドラマ広告は登場人物の感情を主語にして、商品はその物語を動かす小道具として置かれます。

比較軸 従来の動画広告 ショートドラマ広告
訴求の主語 企業・商品(機能的価値) 登場人物の感情(情緒的価値)
視聴のきっかけ 割り込み(受動) 続きが気になる(能動)
冒頭の役割 ブランド想起の刷り込み 離脱を止めるフック
商品の登場 主役として前面に 物語の鍵として脇役に
評価指標 リーチ・インプレッション 視聴維持率・エンゲージメント・態度変容

「ドラマ仕立てにする」こと自体が目的ではありません。広告と認識された瞬間に回避されるという構造を、フォーマットで回避するのがショートドラマ広告の本質です。

2. なぜいまショートドラマ広告なのか(3つの根拠)

ショートドラマ広告が有効な3つの根拠を示した図。従来型の動画広告はユーザーの95.5%にスキップされていること、Z世代の約86%がショートドラマ広告に好意的であること、縦型動画広告市場が前年比155.9%と市場平均122.2%を上回って成長していることを表している
従来広告はスキップ95.5%、一方ショートドラマ広告は約86%が好意的

① 従来型の動画広告は、95.5%がスキップされている

調査データによれば、動画視聴時に割り込み型の動画広告を「必ずスキップする」と答えた人が38.8%、「スキップすることが多い」が56.7%。合わせて95.5%のユーザーがスキップしています。さらに、スキップボタンが表示されるまでの数秒間でさえ、「ただ待っている」64.1%・「他のことをしている」27.9%で、92.0%は広告を注視していません。

つまり、露出量を増やすだけでは届きません。詳しくは動画広告の視聴完了率を劇的に改善する4つの極意でも解説しています。

② 広告を嫌うZ世代の約86%が好意的に受け止めている

Z総研がZ世代女性215名を対象に実施した調査では、83.7%がTikTokのショートドラマをきっかけに商品・サービス・ブランドを認知したと回答。ショートドラマ広告への印象も「ポジティブ」33.0%、「ややポジティブ」52.9%で、合計およそ86%が好意的でした。広告回避が強い層であっても、エンタメとして成立していれば受け入れられることを示すデータです。

参照:Z世代の83.7%がTikTokショートドラマきっかけで商品・ブランドを認知したことがあると回答!〜Z総研トレンド通信vol.23『TikTokショートドラマ編』〜(株式会社N.D.Promotion)

③ 縦型動画広告の市場が市場平均を大きく上回って伸びている

サイバーエージェントの調査によると、2025年の国内動画広告市場は8,855億円(前年比122.2%)。そのうち縦型動画広告は2,049億円で前年比155.9%と、市場平均を大きく上回るスピードで伸びています。縦型はスマートフォン向け動画広告全体の29.1%を占めるまでになりました。

参照:サイバーエージェント、2025年国内動画広告の市場調査を実施(株式会社サイバーエージェント)

3. ショートドラマ広告の「3つの配信モデル」

ここが最も誤解されやすいポイントです。ショートドラマ広告は一枚岩ではなく、目的の異なる3つのモデルがあります。どれを選ぶかで、制作物も評価指標もまったく変わります。

ショートドラマ広告の3つの配信モデルを示した図。①自社アカウントでのオーガニック配信(ブランディング)、②クリエイターとのタイアップ配信(認知拡大)、③運用型広告への転用(獲得・CPA)の順で、①または②で効いた素材を③に回すのが定石であることを表している
①②で効いた素材を③に回すのが定石

① 自社アカウントでのオーガニック配信(ブランディング型)

自社のSNS公式アカウントを開設し、ショートドラマを自社コンテンツとして継続投稿するモデルです。広告費をかけずにアルゴリズム経由のリーチを積み上げられる点が強みで、アカウント自体がファンコミュニティになります。中長期のブランディング、好意度の醸成、採用広報に向いています。

② クリエイターアカウントとのタイアップ配信(初速確保型)

すでに大きなファンを抱えるショートドラマクリエイターのアカウントで、コラボレーションとして配信するモデルです。初動の再生数が担保されやすく、クリエイターのファン層に自然な形で届けられます。新商品のローンチや、短期間での認知拡大、キャンペーン参加の促進に適しています。

③ 運用型広告(DR)への転用配信(獲得型)

「ショートドラマ広告=認知施策」という認識で見落とされがちなのが、このモデルです。オーガニック投稿で高い反応を得たドラマ素材を、そのまま流用するのではなく「短尺化+機能訴求+CTAの追加」で再編集し、運用型広告のクリエイティブとして配信します。

再編集の要点は、商品がメインで登場する後半シーンを軸に切り出し、ラストに機能訴求とCTAを組み合わせることです。これにより、オーガニックでは不可能な精緻なターゲティングとコンバージョン計測が可能になり、アプリDL・会員登録・EC購買といったボトムファネルの刈り取りに使えます。

配信モデル 主な目的 強み 主要KPI
① 自社アカウント
(オーガニック)
ブランディング・好意度 広告費ゼロで資産が積み上がる 再生数・フォロワー・想起率
② クリエイタータイアップ 短期の認知拡大 初速が担保される リーチ・エンゲージメント
③ 運用型広告への転用 獲得(CV) ターゲティングとCV計測ができる CVR・CPA・CPI

実務上は、①または②で「効いた素材」を見極めてから③に回すのが定石です。いきなり③から始めると、そもそも見られないクリエイティブに配信費を投じることになります。

4. 配信面の使い分け:TikTok・リール・YouTubeショート・専用アプリ

同じドラマでも、どこに出すかでリーチする層と視聴態度が変わります。

① TikTok:拡散とコメント欄の熱量

レコメンドが強力で、フォロワー数に関係なく良質なコンテンツが拡散します。コメント欄での「ツッコミ」や考察を通じてユーザーが作品に参加するコミュニティ型の配信面で、エンゲージメントを取りにいく場合の第一候補です。

② Instagramリール:世界観とブランディング

サイバーエージェント次世代生活研究所の調査では、Z世代(17〜28歳)のInstagram利用率は71.6%。世界観やライフスタイルへの共感が起点になりやすく、コスメ・アパレル・EC商材のブランディングと相性の良い配信面です。

参照:サイバーエージェント次世代生活研究所が「2025年Z世代のSNS利用率」を発表!(株式会社サイバーエージェント)

③ YouTubeショート:全世代へのリーチボリューム

同調査でZ世代の利用率は86.1%と最多。若年層に限らず全世代にアクティブユーザーが広がっているため、幅広い層へ均等に認知を広げたい場合に向いています。

④ 縦型ショートドラマ専用アプリ:能動視聴とブランドセーフティ

2025年以降に立ち上がった縦型ショートドラマ専用アプリ(ごっこ倶楽部の「POPCORN」など)は、SNSのフィードのように流れてくるものを受動的に見る場所ではなく、ユーザーが「この作品を見たい」という意思を持って訪れるストック型の配信面です。

1話1〜3分・全体で30〜70話以上の長編シリーズが配信され、SNSのタイムラインに比べて没入度とエンゲージメントが高く、ブランドセーフティを担保しやすいという特徴があります。プロダクトプレイスメントやタイアップ枠という新しい配信面として、今後シェアを広げていく領域です。

5. 成果が出た企業事例(数値と出典つき)

ショートドラマ広告で成果が出た企業事例を示した図。NTTドコモは公式TikTokのフォロワー38万超・いいね1,700万以上・Z世代の2人に1人が認知。JALは公開1ヶ月で1,000万回再生・コメント2,700件以上・久米島行き航空券の予約数270%以上増を達成したことを表している
認知だけでなく予約行動まで動いた2社の事例

事例①:NTTドコモ|認知と好意度を動かした継続配信

NTTドコモは、青春をテーマにした縦型ショートドラマシリーズを継続配信しました。あえてサービス説明を行わない構成にした結果、公式TikTokアカウントのフォロワー数は38万超、いいねの数は1,700万以上に到達。シリーズには1,000万回以上再生された作品も登場し、Z世代の2人に1人が公式アカウントを認知、認知者のブランド好意度が非認知者を大きく上回りました。

参照:平均200万再生・Z世代に圧倒的な認知度を誇る「ドコモ×青春」に学ぶ、縦型ショートドラマ成功の秘訣(MarkeZine)

実際の配信は、NTTドコモ公式TikTokアカウント(@docomo.official)で確認できます。

事例②:JAL|認知だけでなく予約行動まで動いた事例

JALは沖縄・久米島を舞台にしたヒューマンドラマを前後編で公開。公開1ヶ月で総再生数1,000万回を突破し、コメント数は2,700件以上。キャンペーン応募者数は他の地方路線と比較して2倍、さらに久米島行きの航空券の予約数が270%以上増加しました。認知で終わらず、購買行動まで到達した代表例です。

参照:TikTokフォロワー170万人の「ごっこ倶楽部」に聞くショートドラマの魅力、日テレ・JALの成功事例&低コスト制作の裏側(Web担当者Forum)

本編は、JAPAN AIRLINES【公式】TikTokの『旅する度』第1話で視聴できます。

@japanairlines_official 『旅する度』第1話

2つの事例に共通していること

  • 単発ではなくシリーズで配信している(ドコモは継続配信、JALは前後編)
  • サービス説明をしていない。商品は物語の背景に置かれている
  • 評価軸が再生数だけではない(好意度、応募数、予約数まで見ている)

6. スキップされないショートドラマ広告の作り方

制作の現場で徹底されているのは、次の4点です。

① 「起承転結」を捨て、冒頭1〜2秒を「転」から始める

状況説明(起)から始めると、広告と認識された瞬間にスワイプされます。いきなりハプニングや衝撃的なシーンから入り、「なぜこうなっているのか」の答え合わせをしたくさせるのが鉄則です。企業ロゴやコピーから始まる構成は、この時点でほぼ負けます。

② 3秒に1回、新しい展開を置く

冒頭で指を止めても、中だるみがあればそこで離脱されます。セリフの間の無駄な「間」や役者のブレスまでカットし、3秒に1回は新しい展開(カット割り、テロップ、効果音、サプライズ)を提示し続けます。無音の時間を作らないことも離脱防止に有効です。

③ 商品は「脇役」に徹させる

商品を主役にした瞬間に広告になります。物語が7〜8割、商品接点が2〜3割を目安に、商品は「物語を動かす鍵」として置きます。

④ コメント欄を企画段階から設計する

ユーザーがコメントを読んだり書いたりしている間、動画はバックグラウンドで繰り返し再生されます。あえてのツッコミどころや、思わず自分の体験を語りたくなる「あるある」を仕込むことで、視聴時間とエンゲージメントが同時に伸びます。アルゴリズム側の評価軸はショート動画のアルゴリズム攻略法で解説しています。

7. ファネル別のKPI設計と効果測定

ショートドラマ広告が失敗する最大の原因は、目的とKPIがずれていることです。配信モデルごとに、見るべき指標は変わります。

ファネル 目的 主なKPI 測定手法
認知
(アッパー)
広く届ける/記憶に残す リーチ、動画想起率、ブランド認知度 ブランドリフトサーベイ、接触・非接触層の比較調査
興味・行動変容
(ミドル)
調べさせる/来訪させる 視聴完了率、指名検索数(サーチリフト)、サイト流入、コメント・シェア数 サーチリフト調査、タグ計測、アカウント分析
獲得
(ボトム)
登録・購買させる CVR、CPA、CPI コンバージョンタグによる計測

特にアッパーファネルを狙う場合、再生数は「量」の指標でしかなく、成果指標ではありません。「見た記憶があるか(想起率)」「好意度が上がったか」を別途測る設計を、配信前に決めておく必要があります。KPI設計の詳細はショート動画広告の効果測定・KPI設計ガイドにまとめています。

8. よくある失敗と、法規制上の注意点

失敗①:再生数だけで判断してしまう

再生数が伸びても指名検索やサイト流入が動いていないなら、それは「見られただけ」です。逆に再生数が想定以下でも、視聴完了率とコメントの質が高ければ次につながります。1指標で判断しないことが重要です。

失敗②:単発で終わらせてしまう

成果が出ている事例は、いずれもシリーズ化・継続配信しています。1本作って様子を見る進め方では、アルゴリズムの学習も、ファンの蓄積も起きません。

失敗③:商品訴求が前に出すぎる

「せっかく作るのだから商品も映したい」という判断が積み重なると、物語が薄まり、結局スキップされます。再生数が伸びないショートドラマの共通点はNG例から学ぶ!再生数が伸びないショートドラマに共通する3つの失敗パターンでも解説しています。

注意点:ステルスマーケティング規制(景品表示法)

2023年10月1日から、事業者が関与しているにもかかわらず、一般消費者が広告だと分からない表示は、景品表示法上の不当表示(ステルスマーケティング)として規制対象になっています。規制の対象となるのは商品・サービスを供給する事業者(広告主)側です。

ショートドラマ広告は「広告に見えないこと」が価値であるため、ここは特に注意が必要です。「PR」「提供:〇〇株式会社」などを明示したうえで、コンテンツとしての質で見てもらう設計にしてください。エンタメとして成立していれば、広告と明示されていても最後まで視聴されます。

参照:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。(消費者庁)

9. ショートドラマ広告のよくある質問

Q. どのくらいの尺で作るのがいいですか?

配信面によりますが、SNSでは1〜3分、獲得向けの運用型広告に転用する場合は15〜60秒程度まで短尺化するのが一般的です。専用アプリで展開する長編シリーズは1話1〜3分×30〜70話という構成になります。

Q. 自社アカウントを持っていなくても始められますか?

始められます。その場合はクリエイターアカウントとのタイアップ配信(モデル②)から入るのが現実的です。初速のリーチが担保されるため、自社アカウントの立ち上げと並行して進めることもできます。

Q. BtoB商材でも効果はありますか?

あります。ただし狙うファネルが変わります。BtoBの場合は直接的な獲得よりも、認知・想起・採用広報での効果が出やすく、「担当者の日常のあるある」を描く方向が機能しやすい領域です。

Q. 効果はどのくらいで表れますか?

オーガニック配信はアルゴリズムの学習と作品の蓄積が必要なため、単発ではなく複数本の配信を前提に考えてください。一方、運用型広告への転用(モデル③)は配信直後からCPA・CVRで評価できます。

10. まとめ

  • ショートドラマ広告は、商品ではなく登場人物の感情を主語にすることで、広告回避の構造を回避するフォーマット。
  • 背景には、従来型の動画広告は95.5%がスキップされる一方でZ世代の約86%はショートドラマ広告に好意的という非対称がある。市場も縦型動画広告が前年比155.9%で伸びている。
  • 配信モデルは①自社アカウント(ブランディング)②クリエイタータイアップ(初速)③運用型広告への転用(獲得)の3つ。①②で効いた素材を③に回すのが定石。
  • 配信面はTikTok(拡散・コメント)/リール(世界観)/YouTubeショート(リーチ量)/専用アプリ(能動視聴・ブランドセーフティ)で使い分ける。
  • 成果を出した事例(ドコモ・JAL)に共通するのはシリーズ化・サービス説明をしない・再生数以外で評価していること。
  • KPIはファネル別に設計する。再生数は成果指標ではない。
  • ステマ規制があるため、PR表記は必ず明示する。

ショートドラマ広告は「話題のフォーマットを試す」施策ではなく、目的に合わせて配信モデル・配信面・KPIを組み合わせる設計の仕事です。まずは自社が狙うファネルを1つに絞り、そこから逆算して型を選ぶところから始めてください。

「ショートドラマ広告を検討しているが、どの型から始めるべきか判断がつかない」「動画広告の費用対効果が落ちている」とお考えのマーケティング担当者様は、累計120億回再生の実績を持つ株式会社GOKKOへお気軽にご相談ください。